私たちが山中湖でPure Meditation Japanを経営している理由は、それが神様のご意志、それがいまの私たちに与えられている役目だ、と信じているからです。そして神様がこのことを私たちに望む限り、精一杯この役目を頑張りたいと思っています。

私はカナダに20年ほど、そしてニュージーランドに4年間住みました。時々、なぜ私は日本に生まれ、カナダに長年住み、そしてイギリスに住んでいたグル Mata Yoganandajiへと導かれたのだろうと思いました。研修や修行のために何度も飛行機に乗ってイギリスに行きました。カナダと日本からイギリスは10時間ぐらい。地球儀を見れば分かると思いますが、なんとニュージーランドとイギリスは地球の反対側、飛行機を乗り継いで24時間ぐらいかかります。まだZoomなどが使われていない時代でしたので、巡礼の旅のように何度もグルからの教えを習得するためにイギリスに向かいました。

今から15年ほど前、まだカナダに住んでいた時ですが、ある夜、夢を見ました。夢の中で、私は文化交流のために日本に生まれ、真実と純粋瞑想の教えを自分の国に持ち帰るために選ばれた、というメッセージを私のグルMata Yoganandajiから賜りました。翌朝目が覚めると、今までとは違った自分で、自分の道がはっきりとした感じでした。そして日本に教えを持ち帰るのはまだ先になるだろう、その時が来たら導かれ、皆から助けられると心深く感じました。

今振り返ると、それぞれの国で生活した体験はとても貴重なものです。カナダは移民の国で、ネイティブと呼ばれる原住民、世界各国から移民してきた民族がそれぞれの文化を保ちながらも、共に自由に生きている国です。私がソーシャルワーカーとして働いていたオフィスでは、インド人、フィリピン人、中国人、チェコスロバキア人、ドイツ人、ウガンダ人、南アメリカ人、ユダヤ人が一つのチームとして働いていました。みんなが異なるのが当たり前で、自分が日本人という感覚は余りなく、地域の一員として、皆と接していました。文化や生い立ちからの考えの違いは沢山あったはずですが、「あの人はなに人だから」と人を判断する感覚はありませんでした。カナダでは人目や「こうあるべき」ということは気にせずに、自分らしく、自由に人生をエンジョイしていました。またソーシャルワーカーの仕事を通じて、薬物依存や精神病、DV、犯罪など様々な問題を抱えた方たちと深く関わることができたのも、貴重な経験でした。

ニュージーランドでは、朗らかで豪快なニュージーランド人の気質に触れ、そしてニュージーランドに長年住んでいる日本人や日本人会との関わりが多くなりました。日本人コーラスに入りましたが、最初は「理恵子さんは日本語がなまっている。外人が日本語を話しているみたいだよ」と言われました。日本語でヨガを教えて欲しいと頼まれ、自宅でヨガ教室を始めました。ヨガはカナダに住んでいる時から教えていましたが、日本語で教えた経験はあまりなかったので、思うように日本語が出てこなく「calf muscleって日本語でなんだっけ？　えっ、ふくらはぎ？」という感じでした。増してや日本語で文章を書くなんてとんでもないことで、息子が週末に通っていた日本語補習校の先生にメールを送る時はとても緊張しました。尊敬語、謙譲語、丁寧語などが分かりませんでした。

でもあっという間に週３回のヨガクラスは満員、そして瞑想やヒーリングに来る方も出てきました。気が付いたら、自宅が日本人のための小さなヒーリングセンターになっていました。

日本に来てから８年経ちます。ニュージーランドで日本人としての在り方を再び学んだと思っていたのですが、日本の日本人、特に村社会でのあり方はまた違い、毎日学ぶことが多いです。いつでもどこでも人気者だった息子も、山中湖村の小学校に慣れるのに悪戦苦闘しました。私もなかなか溶け込めず、最初は窮屈に感じていました。育成会やPTAの役員をしましたが、私が発言すると、なぜか皆が引いてしまう。しまった、また余計なことを言ってしまった！と何度も思いました。でも、なるべく皆に失礼にならないようベストを尽くすけれど、これが今の自分、仕方がないじゃない、と開き直ると楽になりました。

そして今も毎日様々な気づき、学び、試練があります。神様とグルに「なぜこの役目に私を選んだのですか？　もう少しちゃんとした人がいるのでは？」と祈ると、「Because you are willing（あなたはやる気があるからよ）」との答え。確かに私はいろいろ欠けているけれど、やる気はある、そうだ精一杯頑張ろう。今日も神様の導きを信じて生きています。